【2022年最新版】電子辞書でWikipedia【XTBook】

電子辞書

みなさん、電子辞書は使っていますか?最新の電子辞書だと検索機能はもちろんのことながら、様々な資格試験に対応した参考書や過去問を収録していたり、自分が発した外国語の発音を採点してくれる機能などかなり便利なものになってきていますよね。ただ、昔の古い電子辞書も負けてはいません。ちょっと手を加えるだけでより便利な機能を追加できちゃうんですよね。今回はタイトルにもある通り、電子辞書でWikipediaを見る方法紹介したいと思います。

*今回の記事では非公式なソフトを扱うため、実践される場合はすべて自己責任でお願いします。

① はじめに

電子辞書でWikipediaを見るといってもすべての電子辞書で見れるわけではありません。国内で販売されている電子辞書といえば、SHARPの『Brainシリーズ』とCASIOの『EX-wordシリーズ』が有名ですよね。これらの内、SHARPの『Brainシリーズ』は電子辞書を動かすシステムにWindows CEというOSが使われているんです。とっても古いOSですが歴としたWindowsです。つまり、SHARPのBrainはWindowsを搭載した電子辞書ってことになります。今回紹介する『XTBook』もそうですが、非公式ソフトの全般はBrainに搭載されたこのWindows CEを利用して動かすため、残念ながらWindowsを搭載していないEX-wordの電子辞書では利用できません

CASIOのEX-wordシリーズ(左)とSHARPのBrainシリーズ(右)

1)Brainの世代

では、SHARPのBrainシリーズならどれでも非公式ソフトを動かせるのかというとそういうわけでもありません。Brainシリーズは発売された年代ごとに第1~5世代(公式な世代分けではありません)と分かれており、2021年に発売された第5世代のBrainシリーズではWinows CEが搭載されておりません。第5世代のBrainはまだまだ解析中な部分も多く、非公式ソフトを動かすことはできません

以下のサイトはBrainについての世代表や非公式ソフトの情報などがたくさん載っているので是非参考にしてみてください。

今回紹介する『XTBook』は第1~4世代までのBrainが対応しているようです。もしBrainシリーズをお持ちの方は何世代のものなのか確認してみましょう。

2)どの世代がいいの?

Brainの電子辞書を持っていない場合、どれが良いのかと思われる方もいらっしゃるかと思います。先ほど紹介したサイトの世代別詳細を参考にざっくりと各世代の特徴をまとめてみました。

世代別の特徴
  • 第1世代
    最も多くの非公式ソフトに対応している
    動作や処理が遅い
  • 第2世代
    非対応ソフトがある(主要ソフトは動く)
    処理速度が第1世代の約2倍
  • 第3世代
    ディスプレイの解像度が向上している
    スペック面では第2世代と同じ
  • 第4世代
    一部機種では非公ソフトの起動にひと手間が必要
    microSDXCに対応


筆者はPW-AC910という第1世代の機種を使っていますが、XTBookを使うのはちょっとスペック的に物足りないです。(検索から記事内容の表示までに結構時間がかかります)第2世代以降でどれほど変わるのかわかりませんが、そこまでマニアックな非公式ソフトを使ってみたいとかがなければ処理能力が2倍となっている第2、3世代の機種を使うことをおすすめします。第4世代に関しては、一部の機種以外では非公式アプリの起動を遮断するプロテクトがかけられているため、起動にひと手間かける必要がありますがそれを苦にしなければアリかもしれませんね。

辞書でWikipediaを見るのはあくまで辞書機能の補助的な役割です。また、非公式ソフトのため完全な動作を保証するものではありません。電子辞書を買う本来の目的を考え、その目的と値段が釣り合っているかを考えたうえで購入しましょう。(筆者のように電子辞書をいじって遊びたいだけという物好きな方は別ですが笑)

② 『XTBook』の導入

ではさっそくXTBookを使って電子辞書でWikipediaを見れるようにしていきましょう。

1)必要なもの

XTBookの導入に必要なものは以下の通りです。

必要なもの
  • 電子辞書(Brainシリーズ)
  • MicroSDカード
  • XTBook
  • Wikipediaの辞書データ

① 電子辞書
まずは電子辞書ですが、先ほども言ったように筆者は第1世代のPW-AC910(2010年発売)という古い機種を使います。ここではこのPW-AC910を使った手順を紹介するので、機種や世代によっては若干手順が異なるかもしれませんが大まかなところは同じかと思います。

当時は2万円近くしたんですが今フリマとかで見てみると1000円程度で売られていて時代の流れを感じました・・・(笑)しかも第2、3世代でも数千円程度で買えるんですね。

② MicroSDカード
後述するWikipedia辞書データなんですが、何百万という記事をオフラインで見れるようにデータ化したものですので最新のものだと4GB以上になります。他にも、Wikipediaを画像付きで見たい場合には画像データも必要になりますが、画像データだけで18GB近くにもなります。古いWikipediaのデータだともう少し小さくなります(2014年時点でのWikipediaデータだと約2.7GB)が、それでも4GB以上のSDカードが必要となります。個人的には32GBのものおすすめしますね。

ちなみに第1世代のBrainではmicroSDHCのカード(2GB以上のSDカード)は対応していないので別途非公式ソフトを入れて対応させる必要があるのですが、筆者の辞書は第1世代ながら標準でSDHCに対応していました。この点に関してはお使いの辞書を公式HPで確認してみましょう。また、第4世代のBrainではバージョンによってMicroSDXC(64GB以上のSDカード)にも対応しているようです。

③ XTBook
XTBookとは電子辞書でWikipediaを見るための非公式ソフトです。こちらから 『XTBook-0.2.6-Brain.zip 』をダウンロードします。WindowsやMacのものもありますがBrainのものを選びましょう。

④ Wikipediaの辞書データ
XTBookはあくまで記事を読み込んで表示させるためのものですので、記事そのもののデータも必要です。実はこのXTBook、Wikipedia以外にもアンサイクロペディアやモナペディアなどの記事もデータさえあれば見ることができます。有志のすばらしい努力でXTBook用に変換された辞書データが以下のサイトに保管されていますのでこちらから見たい記事のデータをダウンロードしましょう。

今回はWikipediaの記事データを例にとって説明します。まずは上記のサイトにアクセスします。すると、記事データがずらっと表示されるので画面を下のほうへスクロールしていき、『Wikipedia』という項目を見つけましょう。

『Wikipedia』をクリックすると以下のようにWikipediaの記事データが1か月ごとに更新されて保管されています。当記事を書いた時点(2022年8月24日)では2022年8月1日の記事データが最新のもので、最古のものは2016年2月25日のものとなっています。

ここで少し注意なんですが、最新の記事データ(2022.08.01)をDLしてXTBookで読み込むと『Failed to load the URL』とエラーが出て読み込めませんでした。筆者の機種(第1世代)の処理能力の問題なのか、記事データの問題なのかは分かりませんが、何度も入れなおしてもエラーが出ます。


記事のデータって4GB以上あってDLにもめちゃくちゃ時間がかかるんで、泣きそうになりながら記事データを8月→7月→6月と順にDLして試してみたところ、22年6月の記事データは無事にXTBookで読み込んでくれました!もし最新の記事データが読み込めない人は22年6月の記事データをDLしてみるといけるかもしれません。

ダウンロード方法

『jawiki-(日付).xtbdict.7z.001』というところをクリックするとページが変わり、数秒後に自動でDLが開始されます。時間はかかりますが001~003の3つのデータ全てをDLしましょう。

2)導入手順

必要なものが揃ったらXTBookを導入していきましょう。

①まずはSDカードを『exFAT』でフォーマットします。そしてSDカードのルートディレクトリに『アプリ』という名前のフォルダを作ります。

②次に、先ほどDLした『XTBook-0.2.6-Brain.zip 』を解凍すると『__MACOSX』と『XTBook-0.2.6-Brain』の2つのファイルが出てくるで『XTBook-0.2.6-Brain』のほうだけを先ほど作ったSDカードの『アプリ』フォルダにコピーします。

③次に、先ほどDLした辞書データを解凍します。このとき、Windowsの標準解凍機能ではうまくできないので、解凍フリーソフトで有名な『7-Zip』を使います。インストール手順などは公式のサイトを参考にしてください。以下のように、DLした辞書データ『jawiki-(日付).xtbdict.7z.001』~『jawiki-(日付).xtbdict.7z.003』を同じディレクトリ内に配置した状態で末尾が001のファイルを右クリックして「7-Zip」→「ここに展開」をすると3つのファイルが連結解凍され1つのファイルとなって出てきます。

④解凍すると『jawiki-(日付).xtbdict』という形のフォルダが生成されます。これが辞書データとなりますので、こちらを先ほどSDカードの『アプリ』にコピーした『XTBook-0.2.6-Brain』内の『Dictionaries』というフォルダ内にコピーします。

ちなみにWikipedia内の画像もXTBookで表示させたい方はこちらにある『jawikiimg-20190730.xtbdict.7z』をDLして解凍後、出てきたフォルダを上の画像と同じように『Dictionaries』にコピーすればOKです。(ただし画像データだけでも18GB近くあるので入れなくても大丈夫です)

これでXTBookの導入は完了です。

③ XTBookの使い方

①SDカードに必要なものをコピーできたらPCから抜き、電子辞書に挿入しましょう。そして電子辞書のTOPメニューから『追加アプリ』のアイコンをタッチします。(機種によっては若干異なるかも知れませんが、追加アプリなるものがあるはずです)

②SDカードに作成した『アプリ』フォルダ内に非公式ソフトを入れていくとこの『追加アプリ』のところに表示されます。筆者の場合はXTBook以外にも、電子辞書で動画再生ができる『TCPMP』や電子辞書がWindowsのようになるタスクマネージャー『ceOpener』を入れています。今回はXTBookを使うので『XTBook』を選択します。

③XTBookが起動し本の画像が現れたらロード中なのでしばらく待ちましょう。(ここでたまに動かなくなるんですが、画面をタップするとロードが進むことがあります)以下の画面になれば起動は成功です。

上の検索欄をタッチすると文字が入力できるようになります。入力欄に「A」と表示されているときはローマ字入力で「あ」となっているときは日本語入力です(タップするたびに切り替えることが出来ます)。左の欄はブックマークで、右の欄が閲覧履歴でどちらも記事のタイトルをタッチすることでその記事へ飛ぶことが出来ます。

見にくくて申し訳ないですが、Wikipediaで「タコピーの原罪」を検索してみました。電子辞書の処理能力が低いせいか表示に5分以上かかりましたがなんとか表示できました。10年以上前の電子辞書にタコピーが表示されてると思うとなんかすごいっピね。

それと莫大なデータ容量の画像データも入れてみたんですが、記事によっては表示されたりされなかったりと不安定な状態でした。

④ さいごに

記事の内容によって表示に数分から10分以上かかるものがありました。第2世代以降の電子辞書ではもう少し早く表示されるかも知れませんが、文字だけで良いという人は画像データは要らないですね。筆者も学生時代に授業中にWikipedia(当時はまだまだデータサイズが小さかったのでスムーズに表示できた)を先生にバレないように見ていました。広辞苑には載っていない内容を検索できるのでとてもワクワクしながら見ていましたが、学生の方はくれぐれも授業に支障がない程度に楽しんで下さいね。では!!

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