お久しぶりです、今回もWiiのバックアップ起動に関する記事です。

これまでWii&GCのバックアップ起動に関する記事をいくつか書きましたが、これらにはいくつか問題点がありました。
- ゲームイメージの吸出し(結合)が面倒
- WBFS(特殊フォーマット)にしないとダメ
- GCとWiiのゲームイメージは別々に保存しないとダメ
今回の記事ではこれらの問題をクリアできる、ぶっちゃけこの方法がWii&GCゲームバックアップ起動の最適方法だと思いますので、過去の記事はガン無視でお願いします(笑)
当記事の内容はWiiの改造が必要となりますのでまだの方は以下の記事を参考にしてみてください。
① 必要なもの
以下の必要なものを揃えていきましょう。これまでの記事を参考にされた方は、すでに用意できているものもあるかと思うので、適宜必要なものだけを追加しても大丈夫です。
Wii(改造済み)
最初にも言いましたが、Wiiの改造(HBCの導入)が必要ですのでまずは以下の記事を参考にWiiを改造しましょう。
外部ストレージ
外部ストレージには外付けHDDやUSBメモリ、SDカードなどがありますが、ゲームのディスクイメージがGCで約1.4GB、Wiiで約4.7GBほどあるのでストレージの容量が小さいとすぐ一杯になってしまいます。筆者のおすすめは容量単価が比較的安い『外付けHDD』です。
既製品もアリですが、筆者の場合は使わなくなったPCから取り出したハードディスクや余ったハードディスクをHDDケースに入れて利用しています。HDDケースさえあれば不要なハードディスクを再利用できますし、新品でも中古でも既製品より相場が安いのでおすすめです。
ただし、HDDの容量は最大で2TBまでのものを選びましょう!

HDDケースはお使いのハードディスクのサイズ(基本は2.5インチか3.5インチ)にあったものを選びましょう。
ゲームソフト
今回紹介する方法ではWii以外にもゲームキューブのソフトも吸出しが可能です。ただし、吸い出すゲームソフトは自分が所持しているものだけにしましょう。(友達から借りて吸い出すとかは絶対にダメ!)

USBLoader GX
USBLoader GXはゲームイメージを吸い出したり、吸い出したゲームを外付けHDDなどの外部ストレージから読み取って起動させる非公式アプリです。
こちらに日本語化させたUSBLoader GXを置いてますのでダウンロード&解凍し、出てきた『usbloader_gx』フォルダ内にある『usbloader_gx』をSDカードの『apps』フォルダにコピーします。(SDカードはWiiの改造で用いたものを使うと良いでしょう)

ややこしいんですが、zipファイルを解凍して出てきた『usbloader_gx』フォルダではなくその中にある『usbloader_gx』をコピーしてくださいね!
Nintendont(GC向け)
GCゲームのバックアップ起動には「Nintendont」というツールが必要になります。(GCのバックアップ起動をやらない方はこちらは不要です)
こちらのサイトからダウンロードし解凍しましょう。

解凍したら『Nintendont』>『apps』>『nintendont』のフォルダをSDカードのルートディレクトリにある『apps』フォルダ内にコピーします。

Wii Backup Manager
こちらのサイトからダウンロードし、解凍します。

「Wii Backup Manager」をクリックすると自動でダウンロードされます。解凍して出てきたソフトは後ほど使います。
② 下準備
下準備としてまず、用意した外部ストレージ(外付けHDDやUSB)を「FAT32」でフォーマットします。I-Oデータから出ているフォーマットツールを利用します。

使用しているPCのOSを選択し、ダウンロードします。その後、ファイルをダブルクリックするとデスクトップにフォルダが作成されるのでその中の「HDDFMT」を起動します。

以下の画面になったら、フォーマットするストレージが正しいか確認します。間違ってほかのストレージをフォーマットしないように十分気をつけましょう。

以下の画面で「FAT32」を選択し、次へ進みます。

以下の画面になればフォーマット完了です。

以上で下準備完了です。USBLoader GXが入ったSDカードとFAT32でフォーマットした外付けHDD(USB)をそれぞれWiiに差し込みます。接続ポートは後ろから見て右側ですので注意しましょう。

なぜ「FAT32」なのか
Wiiが読み取れるファイルシステムには「NTFS」と「FAT32」の2つがあります。
NTFSは4GB以上のファイルを扱えますが、FAT32は4GB以上のファイルを扱えません。そして、Wiiのゲームイメージはどれも約4.3GB(一部のソフトは約8GB)となっているので、基本的にNTFSでフォーマットされたストレージでしか扱うことができません。

しかし、先ほど用意した『Nintendont』はFAT32でフォーマットされたストレージにしか対応していません。そのため、GCゲームのバックアップ起動を行いたい場合はFAT32にフォーマットする必要があります。
ここで、「FAT32ではWiiのゲームイメージ(4GB以上)は扱えないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、後述する方法であれば4GB以上のゲームイメージも分割できるのでFAT32でもWiiゲームのバックアップ起動が可能になります。
③ ゲームイメージの吸出し
まずはWiiを立ち上げ、HBCからUSBLoader GXを起動します。そして、吸い出したいWiiのゲームディスクをWiiに挿入するとインストールするかどうか尋ねられるので「OK」を押します。(GCのゲームディスクについては後述)

インストール画面になったらしばらく待ちましょう。ちなみに、吸出し先は自動的にWiiにつないである外付けHDDとなっています。

以下のような画面になればインストール終了です。基本的に、外付けHDDへのゲームの追加はこの方法で行えばOKですが、これまでに何かしらの方法で吸い出してPCに保存してあるゲームイメージについては後述の方法で外付けHDDへ追加できます。

ちなみに、以前紹介した吸出しツール『CleanRip』はiso形式での分割吸出しでしたが、USBLoader GXではwbfs形式での分割吸出しなので、結合する必要もなく、なおかつ分割した状態でもWiiで認識してくれます。また、分割ファイルは1つあたり4GB以上になることはないので、先ほど述べた「FAT32は4GB以上のファイルを扱えない」という問題もクリアできます。
GCディスクの吸出し
Wiiディスクの場合は自動的に吸出し先が外付けHDDになりますが、GCディスクの場合は外付けHDDかSDカードか選択することができます。外付けHDDにWiiゲームもGCゲームもまとめたほうが容量面でも管理面でも都合がいいので「メインパス」を選びましょう。

あとはWiiディスクのときと同様に吸出しを待つだけです。

④ パッケージ画像の追加(任意)
画面に吸い出したゲームが表示されているはずです。ここで「?」のパッケージをタップします。(NARUTO2を例に解説します)

ここで吸い出したゲームのパッケージ画像を登録できます。画像がなくても起動はできますが、画像があったほうが見やすいですし見栄えが良くなります。すべての項目にチェックを入れてOKします。(インターネットに接続している必要があるので注意しましょう)

以下のような画面になったら「はい」でパッケージ画像をダウンロードします。

問題なくダウンロードできれば良いですが、たまに以下のような表示がでることがあります。もう一度同じ手順でダウンロードを繰り返すとダウンロードが完了しますが、場合によってはすべてのファイルをダウンロードできない場合があります。筆者の場合は3個のファイルだけダウンロードできませんでしたがパッケージ画像は表示されたのでそのままにしています。

画像が表示されればOKです。なお、吸出し直後はゲームタイトルが「NARUTO2」として表示されていますが、USBLoaderGXを再起動したりして再読み込みさせると正式名称に自動で切り替わります。

④ バックアップ起動
Wiiのゲームソフトについてはタイトルをタップして起動するだけですが、GCのゲームソフトを起動するには設定を行う必要があります。まずは、ホーム画面の歯車アイコンをタップします。

以下の画面になったら「ローダーの設定」をタップします。

項目を下にスクロールしていくと「GCモード」という項目が出てくるのでそこが「Nintendont」になっているか確認しましょう。もしなっていなかったら、GCモードの項目をタップすることで別の設定に切り替わるので「Nintendont」が表示されるまでAボタンをタップします。(十字キー左右でも切り替え可能です)

以上の設定ができたらあとはUSBLoaderGXのホーム画面からGCゲームソフトを選んで起動するだけです!!
ちなみにNintendontの設定が正しくできていなければ以下のようなエラーが出るかと思います。

⑤ ゲームイメージを追加する
ゲームディスクからイメージを吸い出す分にはPCは不要ですが、PCに保存してあるゲームイメージを外付けHDDへ入れるには当然PCが必要となります。
まずはPCと外付けHDDを接続します。今回はWBFSフォーマットではなくFAT32フォーマットのため、WBFS Manager 3.0(4.0)を使わなくてもPCで外付けHDDが認識されます。USBLoader GXでゲームイメージの吸出しを行っていれば以下のように「games」や「wbfs」といったフォルダが自動で生成されてます。吸出しを行っておらずフォルダがない場合はそれぞれ新規で作成しましょう。

画像にもある通り、「games」にはGCのゲームイメージを、「wbfs」にはWiiのゲームイメージを入れることになります。間違ったフォルダに入れるとUSBLoader GXで認識してくれないので注意しましょう。GCとWiiでそれぞれ外付けHDDへの転送方法が異なるので、それぞれについて説明します。
GCゲームイメージの転送
GCのゲームイメージは約1.3GBのため、分割しなくてもFAT32フォーマットの外付けHDDにそのままPCからコピペで転送することができます。ただし、注意する点があります。

まず、「games」内に直接ゲームイメージ(.iso)を入れるのではなく、上の画像のようにゲームごとにフォルダを作ってその中にゲームイメージを入れる必要があります。USBLoaderGXで吸い出した場合は自動的にフォルダが生成されますが、自前のゲームイメージを追加する場合はフォルダを作る必要があるんですね。このときのフォルダ名ですが、
任意(ゲームタイトルなど)[ゲームID]
となるようにしましょう。USBLoaderGXで吸い出した場合は自動で設定されてるので特に気にする必要はありませんが、PCから追加する場合や日本語のフォルダ名のほうが見やすいという場合には上記のルールに従ってフォルダを作成しましょう。
【 ルール① 】
任意の部分には必ず1文字以上を設定しましょう。このフォルダ名がUSBLoaderGXのタイトル一覧に表示されるわけではないので自分が認識できれば何でも良いです。
【 ルール② 】
[ゲームID]には必ず正しいゲームIDを設定しましょう。ゲームIDとはゲームソフト1つ1つに割り当てられた識別コードのようなものです。吸い出した場合は自動的にフォルダ名に記載されていますが、新しくフォルダを作る場合は正しくゲームIDを明記しましょう。今回の例でいうと、「ナルト激闘忍者大戦!2」のゲームIDは[GNUJDA]ということになります。
ゲームIDがわからない場合
こちらのサイトにある「wiitdb.txt」(日本の国旗をクリック)をダウンロードします。テキストファイルを開くとWiiとGCのゲームIDの一覧が表示されるので、Ctrl+F(もしくは「編集」>「検索」)を押します。検索バーが出てきたら調べたいゲームタイトルを入力します。
タイトルの一部でも検索できますが、「ナルト」のようにシリーズで複数作品がある場合は一発ではヒットしないこともあるので目当てのものが見つかるまでEnterで下へ進んでいきます。

ひたすらEnterを押していくとようやく目的の「ナルト激闘忍者大戦!2」が出てきました。先ほど紹介したようにゲームIDが[GNUJDA]であることがわかりますね。

以上のルールを踏まえたフォルダ名を作成し、その中にゲームイメージ(.iso)を入れましょう。筆者の環境で確認したところ、正しいフォルダ名で配置していないとUSBLoaderGXで表示されなくなりました。
Wiiゲームイメージの転送
Wiiのゲームイメージは約4.3GBあるのでFAT32フォーマットの外付けHDDにはそのままコピペすることはできません。そのため、ゲームイメージを分割する必要があります。ここで登場するのが最初に準備した『Wii Backup Manager』です。DL&解凍済みかと思いますので起動させます。

英語表記になっている場合は以下のように、「Options」>「Language」>「日本語」で日本語に切り替えましょう。

次に上部のバーから「ドライブ1」を選択し「非アクティブ」の項目に外付けHDDのドライブを指定します。

もし外付けHDDに「wbfs」フォルダを作っていない場合は以下のポップアップがでるので「はい」を押して作成します。

USBLoader GXですでに吸い出したゲームが外付けHDDに入っている場合は、以下の画像のようにゲームの一覧が表示されます。

次に上部のバーの「ファイル」項目を選択し、「追加」>「ファイル」と進み、転送したいWiiのゲームイメージ(.isoまたは.wbfs)を選択します。

リストに選択したゲームが表示されたら左のチェックボックスにチェックを入れ、「転送」>「ドライブ1(1)」をクリックします。

以下のような画面になればしっかり転送が行われています。ここで選択したゲームイメージがiso形式(フルデータ)の場合はおそらくファイルサイズが4.3GBほどあるかと思いますが、この転送時に自動的に圧縮(wbfs形式)されます。また、一部ソフト(スマブラ等)は約8GBありますが、この場合でも自動で圧縮&分割でファイルが転送されるためFAT32フォーマットの外付けHDDにも問題なく転送できます。

転送が完了したら上部バーの「ドライブ1」をクリックしてみましょう。転送したゲームのタイトルがドライブ1(外付けHDD)に表示されているはずです。また、PCのエクスプローラーからも直接ゲームが転送されていることを確認できます。

GCと同じですが、フォルダ名にはルールがありますので注意しましょう。Wii Backup Managerで転送すると自動的にフォルダが生成されるので特に気にする必要はありませんが・・・。
なお、Wii Backup Managerを使って転送するのはあくまで4GBを超えるWiiのゲームイメージを転送する場合です。圧縮(分割)されたwbfs形式のゲームイメージ(4GB未満)を転送する場合には、普通にコピペで転送できます。ただし、その場合は上記のようにフォルダの名前には注意しましょう。
⑥ さいごに
以前までに紹介してきた、吸出しからバックアップ起動までの内容は今思えばかなりまわりくどい方法だったなぁと改めて思いました。おそらく当記事の方法が一番シンプルで最適かと思いますが、ほかに良さそうな方法があればぜひコメントいただけると助かります。
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