前回長々とWiiを改造する方法について解説しました。
今回はWiiがシステム的に故障(Brick)してしまったときにWiiを修復する(故障前に戻す)ためのソフト『BootMii』の使い方を紹介していきます。
改造してすぐに色んなことを試してみたくなる気持ちも分かりますが、こういう改造においては『まず初めにバックアップを取る』が鉄則です。
① BootMiiとは
BootMiiはWiiのNAND(Wiiのシステムデータのようなもの)をバックアップしたりリストアしたりすることができる非公式ソフトです。このNANDデータをバックアップしておくことで、Wiiに不具合が起こったときにバックアップしたNANDデータとBootMiiを使って不具合が起こる前の状態にWiiを戻すことが出来ます。
前回の記事のBootMiiの導入手順で『神機』について軽く触れましたが、ここでもう少し詳しく解説します。
神機(初期型)のWiiではBootMiiをboot2にインストールできると言いましたが、このboot2のインストールすることでWiiのシステムメニュー(最初の注意画面)が出る前にBootMiiメニューが起動できるようになります。
神機の場合は、
①Wiiの電源ON
②自動的にBootMiiが起動
③リストア(修復)ができる
というように、ホーム画面が起動する前にBootMiiを起動できるのでここでリストアすることでWiiを修復することができます。
一方、非神機の場合は
①Wiiの電源ON
②ホーム画面からHBCを起動
③BootMiiを起動
となっており、フルブリックしてしまうとホーム画面にいけず、BootMiiを起動できないためリストアすることができません。
それなら、「非神機はバックアップする必要はないのでは?」って思われるかも知れませんが、『Priiloader』というソフトを使えばフルブリックした状態でもBootMiiを起動できる(確実ではないが)のでバックアップを取るようにしましょう。
② BootMiiの使い方
まずはBootMiiでWiiのデータ(NAND)をバックアップする方法について解説します。BootMiiをまだインストールしていない人は前回の記事を参照してください。
*当記事での内容を実践される場合は自己責任でお願いします。
バックアップ手順
まずはBootMiiのメニュー画面を立ち上げます。
神機の方で、boot2にBootMiiをインストールした方はWiiの電源を入れたら自動的に以下のようなBootMiiメニューが開くと思います。(自動でBootMiiが起動しない方は後述の『③BootMiiが自動で起動しない場合』を参照して下さい。)
非神機の場合は、ホーム画面からHBCを起動しWiiリモコンの「HOME」を押すとメニューが出てくるので「Launch BootMii」を選択し起動しましょう。
*言い忘れていましたがWiiのNANDは600MBほどあるのでSDカードに十分空きがあることを確認しておきましょう。
① Wiiのホーム画面を開く
② HBCメニューを開く
③ SDカード内を表示
④ BootMiiのシステムメニューを開く
ちなみにBootMiiではWiiリモコンは使えず、Wii本体のボタンかGCのコントローラーで操作します。
- Wii本体の場合
→電源ボタンで『カーソル移動』
→RESETボタンで『決定』 - GCコンの場合
→十字キーで『カーソル移動』
→Aボタンで『決定』
一番右のアイコン(④)を選択します。すると以下のような画面に変わります。
⑤ バックアップ
⑥ リストア
⑦ インフォメーション
⑧ 前の画面に戻る
今回はバックアップですので一番左(⑤)のアイコンを選択します。
すると以下のような画面が出てきます。「Press A (Reset) to continue.」とあるのでWii本体の「RESET」ボタン、もしくはGCコンの「A」ボタンを押すとNANDデータのバックアップが開始されます。
バックアップが始まると画面左上から右にかけて緑のブロックが徐々に増えていきます。所々で黒いブロック(Bad Block)が出てくるかもしれませんが気にせずに待ちましょう。
黒ブロックがいくつか出てきますが気長に待ちましょう。
白いブロック(ポインター)が一番下まで行くと、もう一度上から進んでいきます。この際に黒いブロックも緑になりますのでもう一周するのを待ちましょう。
なおこのもう一周目(Verifyingチェック)はスキップできますが待ちましょう。黒いブロックが緑に変わっていきます。
以下のようにすべてが緑のブロックに変わったらバックアップ終了ですので、どれでもいいのでコントローラーのボタンを押して終了します。
SDカードのルートディレクトリにバックアップデータである『nand.bin』とリストアに必要な『keys.bin』が保存されているのでパソコンなどにしっかり保管しておきましょう。
これでWiiのバックアップは完了です。
リストア手順
次はリストアの手順を紹介します。
まずはSDカードのルートディレクトリにバックアップした『nand.bin』と『keys.bin』を配置します。
BootMiiを立ち上げ、以下の画面まで進みます。今回はリストアなので⑥のアイコンを選択します。
以下の画面が出てきたらGCコンの「A」ボタン(もしくはWii本体の「Reset」ボタン)を押します。
SDカード内にあるNANDデータからリストアするWiiに対してチェック動作が走るので、しばらく待機します。
チェックが完了し問題がなければ、以下のような画面になるのでGCコンの「START」ボタン(もしくはWii本体の「Eject」ボタンを押します。それ以外のボタンを押せば終了できます。
非神機をお使いでIOSにBootMiiをインストールしている方は、リストア時にコナミコマンド(上上下下左右左右BA)を入力する必要があるのでGCコンが必要となります。
右下に以下のようなマークが出ればリストアが開始されます。この間、電源は絶対に切らないように注意しましょう。
「I HAZ SUCCESS!」と出ればリストアは無事完了です。
なお、筆者の環境ではブリックしていない正常な状態でリストアしているので特に変わりはありませんが、もしブリックしていた場合はこれでWiiが修復されているはずです。
③ BootMiiが自動で起動しない場合
神機でboot2にBootMiiをインストールしたのに、Wiiの電源を入れるとBootMiiが起動せずにそのままホーム画面にいってしまう方がいるかと思います。(筆者もそうでした)
これには以下のようないくつかの原因が考えらます。
- BootMiiが正常にインストールされていない
- SDカードとWiiの相性が悪い
BootMiiの再インストール
まずはBootMiiを再インストールしてみましょう。
前回の記事のBootMiiをインストールするところで『Install bootMii as boot2』という項目の下に『Uninstall bootMii as boot2』という項目があるのでこれを選択するとbootMiiをアンインストールできます。
アンインストールしたら一度BootMiiを終了し、SDカードのルートディレクトリに『bootmii』というフォルダがあるかどうか確認します。『bootmii』フォルダがある場合はそれを削除します。
そしてもう一度BootMiiをインストールしてみましょう。
SDカードとWiiの相性が悪い
どうやらWiiに対応したSDカードでも相性があるようで、筆者の場合はこちらのパターンでした。
筆者が使っていたSDカードですが、
・『Transcend SDHC 16GB Class6』
→BootMiiが自動起動しない
・『KINGMAX 1GB microSD』
→BootMiiが自動起動しない
・『SanDisk microSDHC 8GB Class2』
→BootMiiが自動起動する
・『SanDisk microSDHC 4GB Class2』
→BootMiiが自動起動する
・『SanDisk Ultra microSDHC 32GB Class10』
→BootMiiが自動起動する
以上の結果から、Wiiで使用するSDカードはSanDisk製品が良さそうです。
なお、新しくSDカードを変えて再インストール際も『FAT32』でフォーマットすることをお忘れなく!
③ BootMiiの自動起動を停止させる
神機の方で、Wiiの電源を入れると毎回BootMiiが起動するのを鬱陶しく思う方もいるかと思います。(非神機の方は関係ないので本項は読まなくて大丈夫です)
ここではBootMiiの自動起動を止める方法について紹介します。方法は以下の3つがあります。
- SDカードを使い分ける
- SDカード内の『bootmii』をリネームする
- BootMiiのタイマーを設定する
SDカードを使い分ける
こちらはカンタンで手っ取り早く、筆者もこうしています。普段利用する非公式ソフトなどを入れたSDカードと、BootMiiを使用するためだけのSDカードを使い分けるだけです。
NANDデータは600MB程度なのでSDカードは1GBのものでも十分ですし、余っているSDカードがあればこの方法を試してみるのも良いでしょう。
SDカード内の『bootmii』をリネームする
BootMiiをインストールするとSDカード内に『bootmii』というフォルダが作られ、この中にBootMiiの起動に必要なプログラムが格納されます。
BootMiiが起動するときは、Wii本体がSDカード内にあるこの『bootmii』フォルダを参照して中のプログラムを読み込みBootMiiを起動させます。
ここでこの『bootmii』フォルダの名前を任意の文字に変更すると、Wii本体が『bootmii』というフォルダを参照できなくなり、結果としてBootMiiが自動起動しなくなるというものです。
BootMiiを起動したいときはフォルダの名前をもとの『bootmii』に戻すだけなので、こちらも手っ取り早くておすすめです。
BootMiiのタイマーを設定する
こちらはBootMiiにタイマーを設定することで、Wiiの電源を入れた後にBootMiiが自動起動しても数秒後にWiiのホーム画面に自動で移動するというものです。
導入方法についてはこちらの記事を参考にしてみてください。こちらの方法は多少設定に時間を要しますが、BootMiiを使うごとにSDカードを切り替えたりフォルダ名をリネームしたりする必要がなくなるのでやってみたい人はチャレンジしてみるのも良いですね。
④ 最後に
今回はBootMiiの使い方について書きましたが、筆者自身も完全に理解しているわけではないので間違っている箇所や「こうしたほうが便利だよ」といったことがあればぜひコメントください!では!!
コメント
質問なんですが。
wiiのbootmii バックアップの途中で緑のブロックが増えるはずが半分ぐらいで
止まってしまうのですがどうすればいいのでしょうか
電源を切っても大丈夫でしょうか
それか、sdカードを抜くのでしょうか、それだったら安全に抜く方法を教えてください
ちなみにsdカードはSDHCです
返事が遅くなり申し訳ありません。先ほど当方のWiiでBootMiiからのバックアップを行い、緑ブロックが増える途中で電源を落としてみましたが再起動後も問題なく動作しました。ただしこの行為は、当方がすでにバックアップデータ取得済みで、なおかつ神機のため万が一故障(フルブリック)してもレストアが可能であるからこそできたもので、まだバックアップデータを取得していない、非神機のWiiをお使いの場合はリスクを伴う場合がございます。
バックアップが途中から進まない点については他のサイト様でも事例がなかったので原因不明ですが、SDカードの相性や容量不足、フォーマットの問題などがあるかも知れません。